『浅草開花桜』の麺を使って自宅でラーメン。 / Store-level ramen at home
ラーメン好きが高じてついに『浅草開花桜』さんの麺を使用したラーメン、つけ麺を作りました。
今回は自宅でのラーメン、つけ麺にあの『浅草開花桜』さんの麺を使用させていただき、絶品ラーメン、つけ麺を完成させる事ができましたのでご紹介させていただきます。
『浅草開花桜』
「浅草開花桜(あさくさかいかろう)」さんは東京、浅草に1950年創業の老舗製麺所です。
今やラーメン通なら知らない人は居ないであろう「浅草開花楼」さんは今まで「六厘舎」、「つけめんTETU」、「神田勝本」、「中華そば 勝本」を始めとする主に都内の多くのラーメン屋さんで使用されて来ました。
最近では2018年に「勝本」の村松店主が満を持して銀座にオープンさせた基幹店「銀座 八五」で、このお店のオープンまで取っておいたとっておきの特注麺が使用されるなど、話題が尽きません。
「浅草開花楼」さんのこだわりは「ラーメン職人の方の要求を真剣に聞き、そして問題解決の為に麺の提案をする点。職人と2人3脚で最高のラーメン作りを目指す」との事。その為多くの工程を未だ手作業にして麺作りをされているのにも関わらず、お店によって卸す麺のカスタマイズが異なる事から、非効率なのはわかっていてもそれを40坪ほどしかない作業スペースの中20人ほどの従業員のマンパワーで1人あたり3~4万玉を作成しているとの事。
ですがこの数字がもはや限界数となってしまっており、日々需要が増えていく中「六厘舎」、「TETU」さんは「浅草開花楼離」かられてしまったそう。
特に「つけめんTETU」さんは当初、惚れ込んだその麺を製麺所まで取りに行く為に軽自動車を購入したのだとか。
『浅草開花楼で麺を買う』
ノマドが初めて「浅草開花楼」の麺を口にしたのはつい最近の事。「神田勝本」でつけ麺を頂いた時に食べた太麺、細麺が初めてなのですが特に細麺が博多麺のように細く、しかもつけ麺なので食べ終えるるまでに結構時間が経っているにも関わらず最後までコシがあるのに驚きます。ここから「浅草開花楼」さんの麺に興味を持ち「中華そば 勝本」、「銀座 八五」と訪問します。
「いつかノマドも浅草開花楼の麺を使って自作ラーメンを作りたい」
と思い、色々とキーワードを変えながらググっていると「浅草開花楼は閉店前に行くと余りものの麺をくれるよ」みたいな情報を発見!!!。
『場所』
「浅草開花桜」さんの場所は『こちら』です。JR上野駅から徒歩12分くらい、メトロ銀座線、稲荷町駅から徒歩5分くらいです。
ここ2階は事務所なので製麺したり麺を保存する場所はここの1階と、
斜め向かいにある建物の1階、2階部分のみのようです。
ここで毎日半ば手作業で数万玉を作っているとは…..
いや、ここも2階は事務所ですね。
入り口らしきものが見当たらずウロウロしていると社長さんと思わしき方が声を掛けてくれました。
社長 「なにか探していますか?」 ノマド 「麺を購入したいと思い来ました」
社長 「どんな麺をご希望で?」 ノマド 「できれば、「神田 勝本」さんでつけ麺に使用している2つの麺のうち細麺のものに近いものがあればと思っています」
社長 「勝本」さんは特注だからね」。(若い衆に向かって)「おい、○○の○○、持って来てやれよ」
社長 「なに?、家でラーメン作るの?」 。「ウチは中も狭いしね、奥に閉まっている麺を取り出すのも一苦労なんだよ(笑)」。「麺を箱に仕舞っている時なんかにね、麺の端が潰れちゃったりしたらお店には出せないからそういうの、最近はSNSが発達しているから情報を知って君みたいに来た人に配ったり、従業員たちにも毎日持って帰らせているんだよ。購入なら一応5玉450円で販売もするけどね、それじゃあウチも何屋なのか分からなくなってきちゃうんだよね(笑)」。
との事。
社長 「まぁ、良かったらまた来なよ。はい、これもあげるよ」 ノマド 「えっ、良いんですか!、ありがとうございます」、とつけ麺の麺をタダでくれました(笑)。
社長 「これも有名な店で使ってる麺だよー、おいどこだっけ?、いちろうだっけ?」。
いちろう?、『らーめん一朗 山田屋』の事かな。
とにもかくにも気さくなこちらの社長さん、気前の良い本当に良い方でした!。
『机上の空論風ラーメン』
過去の失敗なども生かしつつ、なんとしても今回は「浅草開花楼」さんの麺に恥じないスープを作りたいところ。
前回の失敗要因 :
スープが薄い⇒煮込みが甘かった。もっと煮込まないと店味には近付かない。
タレが薄い⇒たれも煮詰めなければいけなかった。
チャーシューが美味しくない⇒「つけ麺の元祖」大勝軒に自家製チャーシューのつくり方を教わってきた【料理人のまかないメシ】こちらでチャーシュー問題は解決しました!。
以上3点を押さえ、改善を図りたいと思います。
『これでチャーシューは完璧』
フリーライターの下関マグロさん、が御茶ノ水大勝軒店主、田内氏よりチャーシューレシピをお聞きするという記事を発見。なんでも2時間で店味と変わらないチャーシューが作れるという。
書いてある通りに調理したところ
「めっちゃウマイチャーシューが簡単に出来上がった!。これは凄い」。
【材料。ノマド分量】
・豚バラ 350g
・醤油 1,000cc
・日本酒 150cc
・しょうが 1片
・長ねぎ頭 1本分
たったこれだけ。よくある砂糖とか、みりんとかその他余計な調味料、複雑な工程なし、なのが気に入りました。醤油の量は肉に対して3倍、が目安との事。
今回は豚バラにしました。値段も肩ロースの半分くらいなので。
当たり前ですけど「お金は遣うと減りますからね」。
ねぎの青い部分、しょうが5スライス。
沸騰したら弱火にして片面30分、蓋をして茹でます。
肉が醤油に完全に浸かっていればひっくり返しは必要ないとのこと。
また、アクは取らないとの事です。ラクチンラクチン。チャーシューを煮込んだ煮汁はラーメンタレになるのでもちろん捨てませんよ。
煮込んだ肉はしばらく冷まします。すぐに切ると崩れてしまうので。
うーん、良いデキ。今回で基本が分かったので今後は肉の部位を変えるなどして味の変化を楽しむとしましょう。
昆布、干ししいたけ、煮干は前日から水に漬けて置きます。最近気温も高めなので冷蔵庫内にて保管します。
それではラーメンスープを作っていきます。
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材料 : 5食分
鶏ガラ : 1.2kg
豚ミンチ : 165グラム
りんご1個、玉ねぎ中1個、長ねぎ1本、生姜5スライス、にんにく1片
各種鶏ガラを強火で炊いてアクが大量に出たところでいったん水を捨てます。
その後、ガラを丁寧に洗いつつ、内臓が残っていたらスープ雑味が出るので指でえぐり取ります。
『机上の空論』さんの醤油スープには野菜以外の甘みが感じられるのでりんごを投入。
途中、豚骨の代わりに豚ミンチを投入。豚骨は特にげんこつとか、圧力鍋でも使わない限り家庭の火力では太刀打ちできませんね。
小さな泡が浮いてくる火加減をキープしてトータル9時間煮込みます。肉の大半は溶けてスープとなり骨が残っているだけの状態。
最後に昨日から水出ししておいた魚介系スープを投入し、2時間くらいやや強めの弱火で煮詰めていきます。
これだけの材料を使って取れたスープはこれだけ↓↓↓。ほんと、鳥を焼いて焼鳥にして食べた方がどれだけ経済的でしょうか。
日本全国むしろラーメン屋だらけで普通に考えたら狂ってます(笑)。
半熟煮玉子を作ります。お湯が沸騰したら中火にして8分、これで失敗した事はありません。
チャーシューの煮汁(タレ)に漬けておきます。
昆布も入れて旨みを増しちゃいましょう。
丼にタレを入れます。
浅草開化楼製細麺を投入。
丼にスープを投入。味が薄ければタレを追加、逆に濃い場合はスープを追加で調整。
過去延べ、100回くらいは作ったラーメンスープの中でも、もっとも「やった感」があります!。
やはり濃度の問題だったのでしょう、店味にするには想像以上に手間暇かけないとでした。以前友人にラーメンを食べてもらった時「これはうどんのつゆだね」と言われましたが動物系スープがそれは全然薄かった証拠。
ついに完成!。『机上の空論』風、醤油らぁめん。
チャーシュー、大成功、店味。
バラ肉で十分でした。肉の良さを生かせるのはプロのみ、むしろ作り方さえ間違えなければアメリカ産、オーストラリア産とかでも大丈夫でしょう。
味玉はやはり8分で半熟に。
『神田 勝本』のつけ麺に入っている硬い細ストレート麺は特注だから、
とおっしゃりながらも浅草開化楼さんは、しっかりと細麺で、パキパキに硬い麺を用意してくださいました。
ありがとうございます!、最高です。
細麺5食分にサービス太麺を3食頂きましたが、浅草開化楼さんの麺は1週間経っても風味変わらずで食べ切れましたよ。
購入後1週間経過した麺。冷蔵庫にて保存。
スープはまさにラーメンスープ。りんごを入れた事で、より甘みが加わっています。
実は以前『がんこ一条流ラーメン』の煮込み中スープにりんごが入っていて、そこからヒントを得ました。
完飲完食。ビジュアルも大事で、器は↑『六厘舎』とが使用しているものと同系統のもの。浅草の道具屋街で千円もしませんね。
太麺と細麺が入っている『神田 勝本』風つけ麺。
チャーシューを角切り、茹で野菜を乗せれば二郎風ラーメン。
店味ラーメンを作れるようになった弊害はラーメンをあまり特別な料理と感じなくなり、ラーメン屋に行かなくなりましたね。
これは完全にラーメン倦怠期の到来です(汗)。やはり人間、色んな食材をまんべんなく食べないと…。
さて、という訳で今回は浅草開化楼さんの麺を使用して店味ラーメンを作ってみました。
もしここまで読み進めてくださった方、いらっしゃいましたらありがとうございます。